先々週に続いて、今日もシネマヴェーラ渋谷でハリウッド黄金時代のミュージカルスター、フレッド・アステア特集です。
前回、むかつく骸骨野郎と評しておきながら、今日もまた、、、何故か? 話せば長くなりますので、長くは話しませんが、今回は『ロバータ』(35) を観賞。
内容はといいますと、これまた話せば長くなりますので、長くは話しませんが、相方は安定のジンジャー・ロジャースです。頭悪そうな小悪魔的魅力全開です。
もう一組カップルありまして、この二組の恋の行方が、、、
しかし、なんといっても、一番注目すべは、作曲担当、ジェローム・カーンの名曲でしょう。
まずは『イエスタデイ』。ビートルズではありませんよ。ジャズでも名演多々あります。ケニー・ドーハムのなよなよトランペット。プワーって感じ。あと、ハンプトン・ホーズのミンガスとのトリオでのピアノ。こちらは崩しまくっています。カッケー。「ジャズに名曲なし、ただ名演あるのみ」。まさしく(次のブルースナンバーもしびれます)。
もうひとつは、これまた有名な『煙が目にしみる』。ジャズでは、クリフォード・ブラウンのストリングスをバックにしたトランペットが思い出されます(イエスタデイもやってます)。
こちらは、劇中、オープニングにもエンディングにも、さらに折々でメロディーが奏でられます。まさにこの映画の主題歌です。
圧巻は、愛する人を遠くに見つめながら、上手くいかない恋に涙しつつ女優が歌う場面でしょう。
煙が目にしみる、、、僕はタバコの煙が目にしみるのだとばかり思っていたんですが、違いました。
恋の炎。なんと恋の炎ですよ、その煙で目がしみるのです。僕も何十年と生きてきましたが、ついぞ、そんな経験をしたことがございません。
ヤベー、僕も少し涙が出てきた。
隣のおばさんよ、僕の顔を見ないでおくれ。この涙は、ただ、タバコの煙が目にしみただけなのさ。
(藤山)