ヒューマントラストシネマ有楽町で、イギリス映画『フィッシャーマンズ・ソング』です。
舞台はイギリス南西部のコーンウォール、そこの伝統歌を歌う漁師たち、それをメジャーにしようと奔走する音楽プロデューサーらの物語です。
なに? コーンウォールですと。座礁がつきものの荒れ狂う海。そのため、座礁した船を狙う盗賊が、昔々一杯いた、、、
これで、ヒッチコックのイギリス時代最後(?)の作品『巌窟の野獣』(39?) を思い出さないわけにはいきません。
もう、兎に角凄いです。チャールズ・ロートンの演技はブッ飛んでいます。そして、モーリン・オハラ、、、綺麗です。変態、ヒッチコックの演出でしょう、服で海を泳がせ、ぺったり張り付いた衣装越しの体のラインをカメラがヒツヨウに追いかけます。
もう、舐めまくる感じです。ヒッチよ、ヒッチコックよ、デブの変態ほど見苦しいものはないんだよ。
などと食前酒ならぬ観劇前の物思いに耽っていたのですが、実際、びっくりです。劇中、地元のパブのシーンで、もちろん、みんなエール飲んでるんですが、昔の有名な映画みたいに難破した船から盗んだジャマイカのラムで乾杯だー、みたいなセリフあるんですね。先にあげたヒッチコックの映画の原題は『ジャマイカ・イン』。そうだよね。コーンウォールと聞いて、映画好きなら(この場合は映画の製作者ですが)誰もが思い付くよねと、そんなにこんなで。(もしかしたら、僕の思い過ごしかもしれませぬ)
で、やっぱり、ジャンルはどうあれ、歌、音楽、これはいいものですね。楽しいときも、悲しいときも、いつもそばにある。
楽しみには、より一層の楽しみを、悲しみには、それを慰める、魔法の力を与えてくれます。ストーリーは事前予測がつく内容ですが、歌はやはり涙を誘いますね。良かったなー。
まあ、どうでもいいことですが、イギリスにおけるパブって存在が、この映画を通しても認識させられたというか、なんというか。昨今のクラフトなんたらかんたらで、日本でもパブもどきが一杯増えましたが、なんだかなー。あー日本人よ、日本人よ。イッパイ料理並べて、エールなんか飲んでんじゃないよ。
(藤山)