店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

『家族を想うとき』

12月中旬から公開しています、ケン・ローチ監督のイギリス映画『家族を想うとき』がまだやってましたので、先週に続きヒューマントラストシネマ有楽町で観てきた次第なんですが、、、

ナゼ、、、かと言いますと、まあ、なんと言いますかね。

今回も前作に続き舞台はイングランド北東部のニューカッスルです。ナゼ、ニューカッスルが分かるかというと、ニューカッスルのユニフォームを着た男性が、マンチェスターユナイテッドのユニフォームを着た主人公に「地元のクラブを愛さないのか?」と、罵り合うシーンがあるからなんですが。

で、その前作は『私はダニエル・ブレイク』ってやつでして、貧乏ここに極まれり
、いやー、悲惨すぎてどうしようもない内容なんですね。特になんの派手な演出があるわけではなく、ただ、あるじいさんと、ひょんなことから友達になった若いシングルマザーの2人の生活を淡々と追ってるだけなんですが、それだけに真に迫ってくるんですね。

公開は2年前だったかな? これも同劇場で満員。僕の両隣はどちらも女性だったのですが、左側は25才くらいの中肉中背、右側は65才ぐらいのちょっと神経質そうな感じ。
やられました。映画の内容以上にやられました。もう30分過ぎくらいから号泣号泣。すすり上げる音がうるさいうるさい。
特におばさんの方は、あーこれはちょっと悲惨かも、ってシーンが来るたびごとに、というか、それを察知するかのように、3秒前から「いやー」とか「やめてー」とか圧し殺した叫びを発するのです。
もうね、映画どころじゃありませんよ。このおばさんをスクリーンに写したいくらいですよ。タイトルは『絶望』とかね。

話はそれましたが、今回も観てて、いやーそれはそれは。
ただ、家族を幸せにしたいだけなのに、そのためにお父さんもお母さんも頑張ってんのに。ナゼこううまくいかないのでしょう。人々を取り巻くいろんなものの進化発展って、人を幸せにするためじゃないの。
なんだかなー。

こんな映画はつくっちゃいけないね。観ちゃいけないね。
唯一の救いは、隣の女性が、今回は静かに観ていたことなのでした。

(藤山)