女性の皆さま、あの16才の夏を覚えていますか? それはそれは、もう色んなことで頭が一杯、胸一杯。女は一夜にしてつくられる、なんて言いますが、まさしく、そんな一途な、しかし、不安定な大人の階段を、躓きながらも進んでいき、、、
本日、ヒューマントラストシネマ渋谷で観賞したフランス映画『わがままなヴァカンス』は、全ての女性に、まだ肌がピチピチだった頃の、そんな感覚を呼び覚ましてくれる一本です。
ほんと、良かったわー。
南仏の惑わす太陽、輝ける海。そして、主人公のいとこ役のオッパイばかりに目を奪われてはいけません。本質を観よ。
この映画は、あのパスカルの格言からはじまるのですが、同人の格言をフンダンに盛り込んだ作品といえば、エリック・ロメール監督の『モード家の一夜』を思い出さないわけにはまいりませぬ。かつ、夏のフランスのヴァカンスものといったら、これまた同監督の『コレクションする女』『ポーリーヌの夏』『緑の光線』辺りがすぐさま浮かびます。
今日の作品は、これらに加え、さまざまなフランス映画のエスプリをフンダンに盛り込んでおります。フランス映画ファン、そして、お肌ピチピチのあの16才の頃のワタシを思い起こしたい女性の方、そして、それこそいろんな方々に、是非観ていただきたい一本でございまする。
(同劇場の恒例企画『未体験ゾーンの映画たち2020』から)
(藤山)