店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

『花籠の歌』

本日は初訪問、神保町シアターです。岩波ホールの方はしょっちゅう行ってるのですが(現在改装中)。
「松竹百周年、監督至上主義の映画史」と題して、年末にかけて15本を上映。うち昭和12年の『花籠の歌』を鑑賞です。銀座のとんかつ屋を舞台に看板娘とその恋人、家族なんかが入り乱れての喜劇です。

看板娘は田中絹代です。溝口作品で彼女主演を4本ほど観てるのですが、若い。
それよりなにより、笠智衆です。これまた若い。爺さんのイメージしかない。学生役ですよ。セリフ回しはなんら変わりませんが。田中絹代の恋人役の佐野周二と学窓の設定。
多分、この頃に撮られた小津の作品では、この佐野周二と親子の設定なんです。スゴいね笠智衆。

そして、この映画は当時の銀座の街並みを、戦争で破壊される前の姿を写しています(とんかつ屋とかはセットでしょうが)。もちろん、現・和光も服部時計店の看板がかかって登場です。
看板娘の着物に日本髪と、カフェの女給の洋装にショートヘアーと、当時のファッションも楽しいですね。

今回の作品には既に鑑賞してるものがいくつかあり、井伏鱒二原作の二本『集金旅行』、『本日休診』もそうなんですが、特に『集金旅行』の岡田茉莉子、この時の岡田茉莉子の美しさ、可愛さ、コミカルさ、これを観ずして何を観る?