店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

『燃ゆる女の肖像』

最近、古いのばっかり観てたんですが、久しぶりの新作です。かつ、2年ぶりぐらいのTOHO。本日は日比谷のシャンテで、フランス映画『燃ゆる女の肖像』を鑑賞です。
18世紀辺り? のフランスはブルターニュを舞台に、貴族の令嬢と、その肖像を描かんとする女流画家との、短いながらも濃密な、あーだこーだの物語です。

凄まじきブルターニュの海岸。プルーストの死後発見され纏められた、失われた時~の草稿とも言える『ジャン・サンツゥイユ』にある如く。土地の侵食甚だしく、人を飲み込まんばかり。丈低き草木が大地を覆うばかりなり。
そして、作画のシーン。カンバスにギッギッっと。ジャック・リヴェットの80年代かな? バルザックの『知られざる傑作』を基にした『美しき諍い女』を、これまた思い出してしまい。

それはそれとして、この映画は良い。本当に良いです。もうね、TOHOだから、周りにポップコーン食ってるヤツいたらどうしてくれようとか、イチャついてるカップルいたらどうしてくれようとか、そんな思いもキウに帰し、僅か30人ぐらいの映画好きが真剣に観ておりまして。
是非、皆様も足をお運びになってはいかがかと(Bunkamuraでもやってますね)。