「クロチルド、今、何を考えてるんだい?」
「何も、、、」
赴任地のアフリカで、一方的な愛に溺れていく外交官。エキゾチックな背景、怪しげな月明かりに照らされ、獣の如く貪るように彼女を求め、その魂は彼女に食われ。
気だるく、そして、あまりにも美しく、、、
初体験となりましたスイス人のダニエル・シュミット監督作。本日は、今日から再開の渋谷Bunkamuraル・シネマで『ヘカテ』(82、フランス、スイス合作) のデジタルリマスター版を鑑賞です。
イヤー、良かった。本と、良かった。
この世界観はね、もうね、いやー、実際観ていただかないとね。
欲をいえばフィルムで観てみたかった。
台詞はほんの僅か。詞のようなとりとめのない言葉が流れていき、その美しき映像の背後に消えていくような。
「何も、、、」
そう、何かが始まったような、始まらなかったような、
そして、何かが終わったような、終わらなかったような、、、