フランス的エスプリを存分に味会わせてくれる、フランス人映画監督の一人、エリック・ロメール。
一昨年、その前の年と二年連続での角川シネマ有楽町での特集や、恵比寿ガーデンシネマ、早稲田松竹などで、正確には分かりませんが、これまで大体十作品ほど観たのかな。
ロメール、ほんと良いんですよ。ハマるねー。
と、その頃のカウンター越しのやり取りで、
僕「いやー、最近ロメール、立て続けに観ましてね」
お客様「あー、あの、膝だったか脹ら脛だったか、なんか足のアップのヤツありますよね。あれは面白かったですね」
「えっ?足ですか?足つったらトリュフォーかと?」
「いや、ロメールだったと思いますよ」
「いや、足フェチつったらトリュフォーが有名なんですがね。あのアントワーヌ・ドワネルものの『家庭』(70) とか、ドヌーブ主演の『終電車』(80) とかの、しつこいまでの足のショット、、、」
スミマセン、わたくしが間違えておりました。ロメールにありました、足、正確には膝。
そして、今日とうとう観ることが出来ました。渋谷Bunkamuraのル・シネマで開催されていますロメール特集「六つの教訓話」の一つ『クレールの膝』(70) です。
長年の懸案事項を解決できたような安堵感、そして、久しぶりのロメール作品に触れることができ。
やっぱ良いわー、ロメール。これも最高。ニンマリが止まらないのです。
中年のオッサンが、クレールという少女、成熟した大人にはまだ一歩手前という娘の膝を、掌でなで回すまでの約二時間の物語。
もう一人の少女、クレールの妹のローラとのやり取りも面白い。
今特集にもある『コレクションする女』や、別のジャンルに入るのかな、『海辺のポーリーヌ』もひっくるめて、オッサンたちを引き付けてやまない娘たち。
大人とも少女ともつかない、あやふやな美少女たち。愛くるしさと残酷さを併せ持った、一瞬間の存在。
最近、ナボコフの、あの『ロリータ』を読み始めたのですが、まさしくロリータ。ナボコフ流に、ロ・リー・タ、と区切って発音してもよし。
ロメールもこれ読んでたんだろな。
(今特集では、初期短編作品もあわせて上映されていまして、今日は『紹介、またはシャルロットとステーキ』(51) 。なんと、若きゴダールが主演してます)