引き続き渋谷Bunkamuraル・シネマで、フランスのエリック・ロメール監督特集「六つの教訓話」シリーズ、デジタルリマスター版を鑑賞。うち、本日は、以前、角川シネマ有楽町か恵比寿ガーデンシネマかで観ていました『コレクションする女です』(67) 。
ロメールの初カラー作。当時は当然フィルム。僕は白黒映画が結構好みなのですが、この南仏の美しき自然はカラーが良い(フィルムのモヤッとした霞がかったような質感のままであれば、尚更良かったのですが、デジタルも致し方なし)。
そして、推定18歳ぐらいの主演の娘の肢体も、もちろんカラーでOK。いや、カラーにしておくれ。
そして、良いものは何度観ても良い。
推定30歳ちょっと前ぐらいのイケメンの振り回されっぷり。彼女がこんなに男どもをあーだこーだするのは、俺に気があるからだ、ほらほら寄ってきた、ここで一回冷たくしといて、もう一回寄って来たら、、、そのチャンスは結局来ず。あーあ、折角のバカンス、そして映画は終わる。
このラストがまた良い。ロメールの映画は印象的なラストが多いが、これも最高。
前回もお話しましたが、今回の特集では初期の短編集も同時上映しておりまして、今日は『パリのナジャ』(64) と『ある現代の女子学生』(66) を鑑賞しました(こちらはいずれも白黒)。
特に『パリのナジャ』は、プルーストの研究のため(!)留学でパリにやって来たナジャが、パリの街中をさまよい、風景を会話を楽しむ、ただそれだけなのですが、本当に良いんですよね。
アニエス・ヴァルダに『5時から7時までのクレオ』(62) って作品があるんですが、同じく女性が(こちらは歌手のパリジェンヌ)、パリのアチコチをさまよい歩く。これもまた良いんですよ。
写真家ドアノーの言葉、「パリは時間の浪費がチケット代わりになる劇場だ」。
まさしく。