久しぶりの京橋、国立映画アーカイブ。多分、5、6年ぐらい前かな、オーソン・ウェルズ特集での『フォルスタッフ』か、ルビッチのサイレント時代の『思ひ出』(女性弁士とフルート、ギターの生演奏付き)か、それ以来ではなかろうか。国立近代フィルムセンターの名称の頃ね。
えっ? チケットは「ぴあ」で事前に購入しろって? そんなシステムになったの?
僕の中で同館は、自由席の早いもの順。ひたすら行列。人気作ともなれば、一階ロビーがグルグル蛇がとぐろを巻く如く。毎日暇な年寄りに叶うわけないよね。何時間も前からジーッと待ってて。
今でも覚えてるのは、ハンガリーの監督だったかな?『ファイナル・カット』。上映一時間ぐらい前に行ったら、もうすでに大混雑。最後尾に並んだ瞬間に警備員寄ってきて、もしかしたら入れないかも、って。
で、開場とともにゾロゾロ進んで行ったら、僕の時点で何とか前方二席空いてて、よかったよー。
これは凄かった。古今東西、何千本!?という映画を切っては繋いで切っては繋いで、ある男がある女性と出会い、愛し合い、結婚、出産、途中大喧嘩しつつもこれハッピーエンドというストーリーを作っちゃったんですよ。著作権の関係(これだけの映画を使えば生姜ない)で一般公開は出来ないみたいですね。
あれ? あっ、今日の映画ですね。緊急事態宣言で中止予定だった、同館所蔵「外国映画選集2021」が昨日から上映となりまして、全13作品(全35mmフィルム)のうち、昔のドイツ映画『制服の処女』(31) を鑑賞です。
規律厳しい全寮制の女学校を舞台に、いつの時代も変わらぬ女生徒たちの生き生きとした姿に笑い、ある女生徒の女教師への仄かな愛や、全体を厳しく支配する女校長への反発などに心を打たれる名作です。
出演者はもちろん全て女性(キューカーの『女たち』みたいだね)、あっ、監督もでした。
いやー、苦労してチケットぴあの登録から始まって、あーだこーだ、なんやらかやらとやって、どうにかチケットとって良かったよ。字幕無いシーン一杯あったり、その字幕が旧字体だったりと、そんなの関係なく本当に素晴らしい作品でした。この時代のドイツのヤツって、少し前のサイレントだけど、ラングの『ドクトル・マブセ』とかムルナウの『吸血鬼ノスフェラツゥ』のイメージが強く、今日の作品もスケジュール表の写真から、ちょっとオドロオドロしいんじゃないかと勝手に、、、思い過ごしでした。