本日は京橋の国立映画アーカイブで、フランス映画、マックス・オフュルス監督の『たそがれの女心』(53、仏伊合作) を鑑賞です。先週から始まった同館所蔵「外国映画選集2021」と題した特集のうちの一本です。
ドイツ生まれのユダヤ人。ナチス台頭に伴いフランスへ亡命、フランス国籍を取得し、ハリウッドでも活躍。そして、女性を撮らせるならこの人、そんなオフュルス監督作をようやく観ることができました。
これまでも、ハリウッド時代のジョーン・フォンティーン主演『忘れじの面影』(48) や、フランスでのモーパッサンの短編を基にしたオムニバス(大好きな『テリエ館』あるんですよ)『快楽』(52) などが、ここ数年、シネマヴェーラ渋谷とか恵比寿ガーデンシネマで上映されたにも関わらず、スケジュール合わず。
それにしても、伯爵夫人役、ダニエル・ダリュー綺麗だね。宝石(ダイヤの耳飾りがストーリーを作り出す)に身を包んだ輝くばかりのドレス姿よ。旦那の伯爵役、シャルル・ポワイエも気障な身のこなし、喋り方相変わらずで。
もうね、一言で云えば、お洒落。全てが本物のお洒落。
衣装、小間物はもちろん、屋敷、舞踏会のセット。伯爵と恋敵である男爵との決闘シーンでも、決闘といってもね荒野の何とかみたいな、あんなの思い出さないでくださいね、ちゃんとお互いフロックコートで正装して(ちなみに、当時の正式な決闘では、銃にしろ剣にしろ相手を傷つけても罪にはならない)。
いやー、噂に聞いてたオフュルス作、本当に良かった。他もいつか是非観なければ。