90年代アメリカにおけるインディペンデント映画の代表作、、、と銘うたれた『イン・ザ・スープ』(92、米、日、独、仏、西、伊合作)。引き続き、京橋の国立映画アーカイブで上映されています同館所蔵「外国映画選集2021」で、本日鑑賞です。
多分、3、4年前だったか、早稲田松竹で同時期公開の同じアメリカ映画『スモーク』(こちらは鑑賞済)との二本立てで上映されたのですが、スケジュール合わず。
ようやく観ることができました。記憶によれば、インザスープとは「ごちゃ混ぜ」の意味だったかと。
映画製作を夢見る青年が、そんなごちゃ混ぜのスープを作るところから話は始まります。映画製作の、資金面を手伝おうと登場した男に、結果、犯罪に巻き込まれたり、隣に住む勝ち気な女性に恋して、映画のヒロイン役を願ったり、あーだこーだ色んなことあって。あーあ、ストーリーがそれこそインザスープ、ごちゃ混ぜ。
でもね、白黒の(かつフィルム上映)ワンシーン、ワンシーンがほんとカッコいいんですよ。特に、極寒のニューヨークの古びたビルの屋上で、降り注ぐ雪の中に浮かぶジェニファー・ビールスの笑顔や、海に臨んで砂浜に居並ぶ二人の男のバックショットとか、、、
で、肝心の映画は出来たのか?
ふと、プルーストの『失われた時を求めて』を思い出したんですが、長い長いストーリーを読んでいって、最終的に主人公は小説を書くことを決めますが、では、その内容はというと、まさしく、これまでも読んできた、そんな内容だと云うのです。
そう、この映画も最終的にどんな映画が出来たのかと云うと、まさしくこの映画、『イン・ザ・スープ』に他ならないのです。