一週7日間連続の映画館へ。馬鹿じゃないの? なになに、そう皆さん怒らないで下さい。只でさえ暑いのですから。
今日から神保町シアターでは、この暑さにピッタリの「あっぱれニッポン! 祝祭の映画」と題する特集が始まりました。
6本立のうち3本は64年(昭和39年)の前回東京オリンピック前夜の狂騒を背景にしたもので、本日はそのうちの一本、同64年の公開の『君も出世ができる』 を観賞です。
外国人観光客の獲得に奮闘する旅行会社のドタバタ劇。「和製ミュージカルの金字塔」とチラシにはありますが、その評価はおいといて。
主演の出世を企む平社員、フランキー堺の相変わらずの芸達者、その後輩、高島忠夫と、社長令嬢、雪村いづみの歌唱力(高島忠夫がこんなに歌えるとはつゆ知らず)。社長の益田喜頓のおとぼけぶり。酔っぱらいのチョイ役なのに植木等とは。
そして、浜美枝の、何と美しいことよ。 こんなに美しい、おみ足は、イヤー参ったね。流石世界のボンドガール。
みんな出世のためにあれやこれや忙しいねー。そんな中、一番無欲の高島忠夫が、結果一番出世してしまうという皮肉。
それにしても、いい時代だったんだろねー。戦後約20年。全てが右肩上がり、交際費は使い放題、社会全体がそれこそ狂騒、全てを後押し。
それを享受しまくった、今や80台の、未だに偉そうな爺さんたち。口を開けば、病気と死人と出身大学と勤め先の話ばかり。
今の若者よ、何も妬むことはない。確かに色々なことが行き詰まった現代。正直、未来に何かを期待できるかと問われれば、多くの人が答えに窮するだろう。
でも、希望を捨てるな。切り開け。煙草にマッチがいるように(適切でない比喩をお許しください)、未来の灯りは希望を持ち続けることでしか、ともせないのだから。
それでも、ニッチモサッチモいかなくなったら、その時は生姜ない、寺へ行きなさい。そして、無念の想いを込めた映画を作ろうじゃないか。何が『君も出世ができる』だ、このヤロー。こっちのタイトルはなー『君も出家ができる』だ(原作・夏目漱石『門』)。
あーあ、暑さで頭がやられたようです。