店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

『ミークス・カットオフ』

信じるものは救われる。いやいや、そう容易く云ってくれるな。人類の一体を謳う祭典など絵空事。すぐ側の隣人への愛、信頼さへ疑わしいのだから。

先週に続き、渋谷シアターイメージフォーラムで開催されています、アメリカのケリー・ライカート監督特集に出掛けまして、本日は19世紀の西部開拓時代のオレゴンを舞台にした『ミークス・カットオフ』(10) を観賞です。

西部劇、これこそアメリカです。しかし、バンバン、ドカドカ、ヒヒヒン、よくある西部劇とは違い、淡々と淡々と物語は進んでいきます。
西を目指す三家族と軽薄な案内人の歩みと共に、神々しいまでの自然の美しさを余すところなくカメラは捉えていきます。

堂々巡りの繰り返し。このまま案内人を信頼してよいのか。そして、途中捕らえた半裸の原住民。これまた、水先案内人として信頼できるのか。果たして、安住の地へは、、、
三家族それぞれの複雑な思い。しかし、それがどんなに入り乱れようと、美しき自然は只そこに在るだけ。
悩みなさい、悩みなさい、、、