店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

中国映画『白毛女』

京橋の国立映画アーカイブで引き続き行われている特集「逝ける映画人を偲んで 2019~2020」のうち、本日は中国映画『白毛女』(50) を観賞です。
チラシによりますと、岸さんという女性の編集技術者が本作に携われたようです。

中国の豊かな広大な自然を舞台に(もちろんセットもあります)、同国ならではのメロディーにのせた、西欧風に云うところのミュージカル。もともと、舞台歌劇として作られたものの映画化です。

貧しい小作人達が傍若無人な地主に虐げられ、日々の生活はおろか、愛さえも奪われてしまうという、ソレハソレハ。
そこへやって来た赤軍兵士達が小作人達を救うという、コレハコレハ。

資本主義の否定、中国共産主義万歳的な、、、あーあ、こんな国策映画は辟易するね。でもね、何か観いっちゃうね。
政治的なことはちょっと傍らへおいといて、そして観てますとですね、映画そのもとしては、これは素晴らしいですね。

シネマヴェーラ渋谷でたまにやるソビエト映画特集でも、明らかに政治的な臭いプンプンの国策ものありましたが、『人生案内』(31) とか『怒りのキューバ』(64) とか。
これらも映画そのものとしては、ほんとに素晴らしい。『怒りのキューバ』なんか、僕の生涯ベスト20には入るぐらい。

でもね、やっぱり政治は、映画、ひいては芸術全般に介入してはダメだと思うんですよ。創作が芸術へ昇華するキッカケになるぐらいで政治はとどまっといて、やれ検閲だ、やれ監督弾圧だ、とかイヤになっちゃうね。
その点、日本はいいねー。ユーロスペースで菅さんの笑っちゃう映画やってるけど、堂々と上映できて。