シネマヴェーラ渋谷で引き続き開催されています「恐ろしい映画」特集。本日は古典中の古典、ハリウッド作『フランケンシュタイン』(31) を観賞です。
先ずもって、勘違いしておりました。フランケンシュタインは怪物の名前かと思っておりましたら、それを作り出した博士の名前だったのね。
それはさておき、これはいつか観たかったのです。何故なら、あのビクトル・エリセ監督のスペイン映画『ミツバチのささやき』(73) に出てくるから。主人公の女の子アナが暮らすスペインの田舎町で、この映画の上映があり、この観賞をきっかけに女の子は不思議な(あくまで大人の目線で見た場合)行動を起こすのです。
今日、初めて『フランケンシュタイン』を観賞し、思い出しました。水辺に突如現れた怪物に、可愛い女の子マリアが一寸の戸惑いの後、花を差し出すシーン。『ミツバチのささやき』で使われた。
自分が何者なのか、何故ここにいるのかさえ分からない怪物。汚れを知らない女の子には、人間よりもよっぽど純粋無垢な存在に感じられたのでしょう、一緒に遊ぼうとしますが、罪を知らない怪物に殺められてしまい、、、
あーあ、なんと悲しいことでしょう。非は誰にあるのか? もちろん怪物ではありません。これを作り出した人間です。
自らを神と勘違いし、自然を意のままにしようとした傲慢な人間よ。罪深き存在よ。
このような戒めが何度与えられたことか? そして、毎度の忘却、同じことの繰り返し。軽薄な映画のラストシーンに、笑ってばかりはいられないのです。
(そういえば、三年ぐらい前に、原作者のメアリー・シェリーの伝記映画が、エル・ファニング主演で上映されましたね)