店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

『スザンヌ、16歳』

毎年、グレナデンシロップをまとめて作っておくのですが、これ、結構大変なんですよね。
ザクロにナイフで切れ目いれて、パカッと開いてパラパラ。アクがありますんで、ビニール手袋はめてやらないと、手が真っ黒に。

それをジップロックに入れて、ギュッギュッっと手のひらで潰して、網で濾してジュースとったら、同量の上白糖と共に鍋でコトコト。アクがブワーッと浮いてきますから、丁寧に掬って清んだところで(あと、チョコチョコやって)あら熱とって、小分けにして、冷凍庫へ。
使う分だけ解凍して冷蔵庫で保存と。

そんなグレナデンシロップのソーダ割りが好きな『スザンヌ、16歳』。渋谷のユーロスペースで観賞です。スザンヌ役のスザンヌ・ランドンが監督、脚本も務めてまして、まだ20歳らしいです。

グレナデンソーダ、飲むのは簡単なんだよね。いつものカフェで注文して、来たらチューっと。でも、さっきも云ったけど作んのは大変なんですよね。
恋も同じ。誰かにトキメクのは簡単。でも、その後、会って話してキスして、会うたびに胸はドキドキ、ますます。

さらに相手が、かなり年上の大人とくれば、いくら自分が背伸びしてても、同級生では感じられない、未知の色んなものが次々と、それこそアクのように覆ってきて。
不安に涙もこぼれるだろう。けれど、シロップ作りのアク取りの如く、自らも恋を人生を切り開いていかないと。