店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

『実録 私設銀座警察』

いやー、凄かった。金と暴力とエロのカオスが、フリージャズにノッかってグチャグチャ、ビシャー、、、

引き続き、京橋の国立映画アーカイブで上映されています特集「逝ける映画人を偲んで 2019~2020」に出掛けまして、本日は東映お得意のヤクザモノ『実録 私設銀座警察』(73) を観賞です。

誰もが食うに困っていた終戦直後。都市部の駅前にはバラックが建ち並び、食べ物を貪る輩や、闊歩する米軍相手に春を売る女がひしめき合い。カストリ焼酎、賭博まで、もう何でもあり。
そんな混沌とした“街“の一つ、銀座を舞台に、数人の引揚兵らによって結成された「私設銀座警察」が裏社会でノシあがっていくストーリー。

安藤昇、梅宮辰夫、渡瀬恒彦らが出演。安藤昇はスクリーンで初めて観たんですが、モトがこの映画のように戦後渋谷で安藤組率いていた本物ですから、目力、身のこなしがハンパありませんね。

既存権力を叩き潰し、銀座の利権を欲しいままにし、さらにノシあがっていこうという矢先の内部分裂。というより、元々が一匹狼的な奴らの集まりであれば、それも予期できたことであり、そうならなくとも、権力はいずれ衰えるか、他にとって代わられるのが世の常。

ラストは自棄っぱちの大饗宴。札束撒き散らし、酒とエロでグチャグチャの最後の晩餐。あー、神よ、ゴメンよ。こんなオイラで。戦争が敗戦が、こんなオイラを生んだのさ。