引き続き新宿K’sシネマで開催されています「奇想天外映画祭2021」に、またまたまた出掛けまして、本日は久しぶりのルイス・ブニュエル監督のフランス時代の作品『銀河』(68、イタリアとの合作) を観賞です。
メキシコ時代の不条理きわまりない、常識では太刀打ちできない諸作の後のフランス時代といえば、カトリーヌ・ドヌーブを主演にした『昼顔』(67) や『哀しみのトリスターナ』(70) なんか有名ですが、このキッチリさもつかの間、またやっちまったか、宗教よく分からん系。
フランスからスペインの聖地への巡礼の旅。車がゴーゴー通る側をテクテク歩くキリスト教徒の二人連れ。ヒッチハイクしたくても誰も止まってくれない。一応、ピエールとジャンって名前らしいけど(モーパッサンの小説と同じ)、日本で云えば、弥次喜多珍道中。
途中、色んな怪しい人(人と云うか、キリストとか天使とか司祭とか、“宗教関係者“オンパレード)が次々と登場し、現在と過去が行ったり来たり、いや、現在なのか? よく分からないけど、異端審問等の寸劇がこれでもか、と。
もうね、ポルトガルのオリヴェイラ監督の『春の劇』(63) 、この厳かなキリスト受難劇とは対局の喜劇、クスッと笑ってしまう。
結局、神って存在するのかね? 存在するとしても、異端審問のやり取りなんかみてると、結局は我々に災いしかもたらさなかったんじゃないだろか。でも、災いなかったら、平和の有難味も分かんないわけだしねー、、、
そして、二人は無事、聖地にたどり着いたのですが、早々に二人を迎えたのは、美しきデルフィーヌ・セイリグ演ずる娼婦なのでした、とさ。