店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

ドライヤー監督作品『あるじ』

引き続きシネマヴェーラ渋谷で開催されています「素晴らしきサイレント映画」特集に出掛けまして、本日は、カール・Th・ドライヤー監督の母国デンマーク作品『あるじ』(25) を観賞です。
ドライヤー作品は、今特集と前回の「恐ろしい映画」特集で立て続けに観てますが、今日のは珍しいホームコメディ。

亭主関白、すなわちこれをダメ亭主という。ほんと、奥さん大変だよね。長女は色々手伝うけど、腕白な男の子、乳飲み子もいて。
この家庭にたまに顔を出す老女。昔、ダメ亭主の乳母だった。ちっちゃい頃はビシビシ叱ったこのダメ男のあまりの暴君ぶりに堪忍袋もナンとやら。一計を案じるのですが、、、

ヤバイよ、ドライヤー、なんでこんなもん作っちまうんだよ。
何の変哲もない、ありふれたストーリーなのに、なんでこんなに一場面、一場面が美しく僕の心を揺さぶるのか。
ラストの、食卓を囲む家族のシーン。さりげない、なにげないこのシーンに、僕のまぶたの堤防も決壊し、塩分を含んだ幸せの涙がドー。発電機よマワレマワレ。水力発電をナメんなよ。

はっ、スミマセン。
イヤー、やられました。ほんと、良かった。
テーブルに配られたコーヒーから立ち上る湯気の如く、温かい温かいユーモアと愛情が画面一杯を包み、お裾分けの一杯を僕も頂き、幸せな気分で映画館を後にしたのでありました。