早稲田松竹で久しぶりのイングマール・ベルイマン監督作品。本日は『冬の光』(63) を観賞です。
信者からの告解を聞き入れる立場の司祭が、自ずから信者に対し、我が苦悩を撒き散らし。
射し込む冬の光は、不安な精神を露にするだけで、希望の光に変わることはない。
神に使える身とは云え、法衣を脱げばただの人。男女の愛憎、生きることへの不安が溢れだす。
人生と云う大海原を前にして、頼れるものは自分のみ。ただ、勇気のみが、一条の光の方へ向かう勇気の一歩のみが、自分を救ってくれる。
とすれば、聖職とは何か? これも只の生業? 今日もまた同じことの繰り返し、、、
これまた素晴らしい作品で。
一場面一場面に映り込む全てが完璧なコントラストをなし、絶妙な光の効果と相まって、兎に角美しい。
ストーリーを忘れてしまうほど(忘れてもいいね)。
毎回言ってるけど、こういう白黒作品を観ると、ほんとフィルムで観たかったなーと。もっと奥行を感じられるんだけどなー。