先月中旬からシネマヴェーラ渋谷で開催されています特集「ストレンジャーズ・イン・ハリウッド」。ナチスドイツから逃れハリウッドで活躍したドイツ、オーストリア出身の三人の映画監督特集です。
もちろんハリウッド作品が中心ですが、本日はロパート・シオドマク監督のフランスでの作品『モルナール船長』(38) を観賞。
私事ですが、映画の前にちょっと自分の店に寄ったら大事件が勃発してて。明日からの営業を考えると、映画どころではなかったのですが、やっぱり映画は大事、と店のことはソコソコに。
いやー、止めなくて良かったよ、映画観んの。一生後悔してただろうなー、そのぐらいの素晴らしい作品でした。
ヤクザな出鱈目な巨漢な禿頭な船長。偽りの家庭よりも、目障りな会社の上司よりも、海を、船を、そして自分の部下である乗組員を心から愛する船長。
前半のユーモアを交えつつのサスペンス的な展開から一転、後半は彼の船長としての生きざまを、まざまざと見せつけられ。
ラストの大海原を前にした艦上での一言。
「ラ・メール(海だ)」
この時、僕の頭の中には、ジャンゴ・ラインハルトとステンファン・グラッペリのコンビによる同タイトル曲が、甘く甘く、愛おしく流れ始め、、、