店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

ニコラス・レイ『夜の人々』

映画ってのは、ナメテかかるとヤられるね。

昨日からシネマヴェーラ渋谷で始まりました「ウィスコンシン派(スクール)」と題する特集。ウィスコンシン生まれのジョセフ・ロージー、ニコラス・レイ、オーソン・ウェルズら三人の監督作および俳優としての出演作が目白押しです。

兎に角、観たいのは、オーソン・ウェルズのシェイクスピアもの。『オセロ』は去年の別の特集で観たんで、今回は『マクベス』だね。後半かー、まだ先。
とりあえず本日は、ニコラス・レイによる処女監督作品『夜の人々』(48) を観賞です。

ニコラス・レイのヤツって初めて観るんですけど、あれ? 去年Bunkamuraで観たヴィム・ヴェンダースの『アメリカの友人』で、怪しげな画家役で出演してたよね? 本来、映画監督なんだよね? そっかー、その初の監督作品かー。では、お手並みを拝見、、、って、ゴメンナサイ。高飛車でゴメンナサイ。何度も頭下げるよ、イヤー、素晴らしい、ホントにビックリしてもうた。

年齢以上に、精神も人生経験も未熟な、若き男女の粗削りな恋愛、そして逃避行。これが、初監督作という良くも悪くも粗削りな演出と、図らずも憎いほどマッチして、グイグイと引き込まれ、、、イヤー、ほんと良かった。
こんな“うぶさ“を今の時代に目にするとは思いもしなかった。
これは一回は観といた方がいいね。

主演の男優、この一見ワルなヤサ男は、男の僕でも惚れるね。なんか観たことあるんだけど、誰だっけー、、、と、あー、あれだったんだね、ヴィスコンティの『夏の嵐』の、あの将校役。さらに色っぽさが増して。