店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

『選ばなかったみち』

暇ンボー、ということで、またまた仕事の合間に映画館へ。なんと、サリー・ポッター監督やってんだね。
と、本日は久し振りの新作観賞、去年の秋以来かな、同監督によるイギリス映画『選ばなかったみち』(アメリカとの合作)を観賞です。

主演はハビエル・バルデムとエル・ファニング。
エル・ファニングは同監督の前作『ジンジャーの朝』(もう10年ぐらい前かー)に続いての出演。

The roads not taken
選ばなかったみち、、、

ある日、認知症を患った男のもとへ娘が訪ねてくる。
歯科と眼科の医院に連れ出すも、男は挙動不審の連続に失禁まで。あーだコーダのあげく、はぐれてしまう。
その間、娘は重要な会議に出席できず、仕事を失ってしまう。
よくある認知症にまつわる話。
たった24時間の。
ここまでだと、ケン・ローチの作品。

ところが、、、
その間、男の脳裏にあったのは、二つの「選ばなかったみち」。それを選んでたら、こうなってただろう、その“物語“が幻想的に描かれて。

たまにあるけどね。あんとき、こうしてたらどうなっただろう? って思うこと。
でもね、そんなの考えたってしょうがないよね。
お前は誰だ? って問われたら、今のこの自分だ、って答えるよ。あーしとけば、こうなってたかもしれない自分です、って訳にはいかないからね。

色んな選択、決断を経て生きてきたわけですよ。今の自分は、その数々の選択、決断の賜物なわけですよ。自分を好きでも嫌いでも、そうやって今が形作られたことは、動かしようがない事実であって。

違う自分を想像して今を否定しても何も生まれない。色んな解釈できそうな映画だけど、この映画を観ようが観まいが、僕は常日頃そう思ってるんでね。
違う自分的なイメージをみんながみんな、芸術的昇華できる訳じゃないしね。

まあ、結果として観なくてもよい映画かな。さあ、仕事しよ。
残念だなー、サリー・ポッター。
『タンゴ・レッスン』は最高だったけど。