本日も、独り暇ンボー映画祭ということで、平日昼にも関わらず、仕事の合間に角川シネマ有楽町に出掛けまして、公開初日に見て参りました『ブルーノート・ストーリー』。ジャズを聴く上で必ず通るブルーノートレーベル。
三年ほど前に公開されたブルーノートのドキュメンタリーは、ミュージシャンにスポットが当てられていましたが、今作はレーベル創始者のアルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフの二人の物語です。
あれ? これ製作国どこだろ? よく見てないけど、プロデューサーはご存知のドイツ人、ヴィム・ヴェンダース。
そう、創始者二人はユダヤ系ドイツ人で、ナチスの迫害を逃れてニューヨークに渡り、昔から好きでたまらなかったジャズをさらに愛し、黒人ミュージシャンを愛し、たぐいまれな素晴らしいレコードの数々を世に産み出していったのです。
ロリンズ、ベニー・ゴルソン、ルー・ドナルドソン、ハンコック、ロン・カーター等々、あげていったらキリがありませんが、インタビューに登場した黒人ミュージシャン側からの愛され方も半端ありませんね。
ご存知の通り、アメリカにおいて、彼ら黒人は低能白人からの差別が酷かった。ユダヤ系ドイツ人のためナチスからの迫害の対象となった、同じマイノリティーの彼らとは、どこか同士のような兄弟のような感覚があったのでしょう。肌の色は違えど。
そして、マイノリティーは合体し、歴史的に黒人の悲しみの声であったブルースを、ジャズとして、唯一無二のブルーノートサウンドとして芸術にまで高めたのです。
ストーリーはジャズ本とかライナーノーツ読んでると、改めて取り上げるまでもないのですが(ルー・ドナルドソンが意地悪くブレイキーのネタを話すのは笑えるね)、やっぱ、アメリカ的価値観であるお金の損得は二の次で、好きな音楽を創り続ける喜び、副題の「シュウィング(ドイツ訛りスイング)」を突き詰める情熱、、、、
リー・モーガンのトランペットが響き渡る、ベニー・ゴルソン作『アイ・リメンバー・クリフォード』が始まりと終わりを〆、あー、ほんと良かった。
やべ、仕事しなきゃ。
トークショーまではいられない。ごめんよ、ピーター・バラカン。