久しぶりのシネマヴェーラ渋谷。懐かしいこの臭い。加齢臭ともちと違う、この独特な、ヴェーラー臭とでも名付けようか。
と、本日は同館で、僅か二週間(うち、三日間は空調工事のため休み)開催の「ウクライナの大地から」と題する、ウクライナ(旧ソ連)関連の映画特集に出掛けまして、全十作品のうち、唯一のサイレント『大地』(30) を観賞です。
「史上最高の無声映画のひとつ」らしい。
ウクライナって、旧ソ連の中でも肥沃な地域ってなんかで読んだような気もするけど、豊穣の恵みのシーンがこれでもかと。
しかし、その豊かさって、必ずや争いのもとになるよね。
ところが、そんな牙を剥き出し争ってる人間も、もとをただせば、作物と同じく大地から生まれ、死せば種同様大地に帰っていき。
あーあ、僅かばかりの生命、何をそんなに争うことがあるのかね。
ラストに向かっての、ストーリーがあってないような、象徴的なものの連続。こんなアバンギャルドな前衛的なものを目にするとは。
やはり旧ソ連映画は素晴らしい。