先々週から神保町シアターで始まってました、銀座を舞台にした映画特集、「映画で銀ぶらー銀幕の銀座」に出掛けまして、本日は昭和26年の成瀬巳喜男監督による新東宝作品『銀座化粧』(51) を観賞です。
銀座のバー(店の名前がベラミってのが笑える)に女給として勤める、シングルマザーの田中絹代を中心にした、あーだコーダの物語。
僕自身、特に銀座と云う街に格段の思い入れがあるわけでもないのですが、まあ、ズーッとここで働いてるんでね、まあ一本ぐらいは観とこかなー、なんて。
と、いやー、染々と良かった。
天が下に新しきことなし。どんなに銀座の街並みやら、文明の器機ってのが新しくなろうとも、人間の営み、心情ってもんは、昔も今もズーッと同じまんまじゃなかろうか。
それにしても、昔の銀座の、川やら堀割があって、橋がかかってて、ほんといい風情だなー。
田中絹代が東北からやって来た青年に銀座を案内してるときの一場面。
「この三十間堀(この間までシネパトスがあった三原橋のとこ)は埋め立てられる前、ネオンが映って、それは綺麗でした」
あー、日本橋は、真上を通る高速道路を撤去して景観を取り戻そうとしてるけど、銀座の街中も、昔の水の流れをよみがえらせてくれないかね。
この暑さで、余計にそんなことを思ってしまった。