店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

バーバラ・ローデン『ワンダ』

劇中たびたび出てくるバーの、その雰囲気、文化って、やっぱ発祥の国アメリカのもんだし、真似っこ日本のバーのように、武士道的なもんを求められたり求めたりすることもなく、ウダウダ、ダラダラ。ボトルドビアのなんと不味そうなことよ。

四角い車といい、ハンバーガーといい、先のボトルドビアといい、アメリカ的な、画一的な工業製品みたいなもんのオンパレードでありながら、この映画そのものはハンドクラフト。どうしようもない悲劇を優しく包み込む温かさに溢れ。

二週連続の渋谷はシアターイメージフォーラムに出掛けまして、本日はアメリカ映画『ワンダ』(70) を観賞です。チラシによりますと、「小さな宝石」と称される映画史に残る一編、監督・脚本・主演バーバラ・ローデン伝説のデビュー作にして遺作、らしい。
いやー、良かった。特に何気ないラストショットにはシビレました。

昨年同館で立て続けに観たケリー・ライカートの諸作品やら、アーカイブでの『イン・ザ・スープ』やら、ジム・ジャームッシュの初期やら、いわゆるインディペンデント系と云われるものには、ほんと引き込まれるものがありますよね(嫌いなアメリカとは云えども)。

なんだろなー。
ちいさくて、ちいさくて、あまりにも小さいために素通りしてしまいそうだけど、
近づいて、よくよく観てみたら、珠玉の輝きに満ちており。
完璧ではない。不器用。しかし、だからこそ、魅了せずにはおかない唯一無二の輝き、、、