店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

郷愁を誘うジン

佐賀県鹿島市に祐徳稲荷神社ってのがありまして。

その最寄り駅が、最寄りっても田畑広がる田舎のことですから、多分歩いて(歩いたことはありませんが)一時間近くかかると思うのですが、肥前浜駅と云いまして。

そのすぐそばの交差点に、神社へ導く入口と云いましょうか、巨大な赤鳥居がありまして。

さらに云いますと、その朱に彩られた鳥居の足もとには小学校があり。
懐かしいなー。僕の母校でありまして。

滅多に帰省することもないため、田舎の状況はよく分かりませんが、その巨大な赤鳥居は今から十年以上前に、老朽化のため取り壊されたとのこと。

町のシンボルであり、僕の脳裏にも深く刻まれていたため、何かがポロっと欠けたような、一抹の寂しさが、、、

と、なんと、ジンのラベルに“復活“してるではありませんか。
一瞬我が目を疑いましたが(老眼進みに進んで)、いや、間違いありませぬ。
懐かしいなー。

佐賀県は日本酒文化圏でありまして、その赤鳥居跡地周辺には古くからの酒蔵が軒を連ねており、その蔵元の一つが、この『赤鳥居』なるジンを、なんと、ジンですよ、を手掛けているのです。

昨今のクラフトジンブームとやらに、全く興味がない僕。
お客様からの「なんか面白いジンありますか」の質問に、「別にないですね」とモトモコモナシ。

しかしですね、こんなに郷愁を強襲するジンとあっては、手元においてみたい、こんな心変わりを、お客様、許していただけますよね。

ということで、早速仕入れました。
ちょいと味見したのですが、、、
えーっとですね、とりあえず、赤鳥居の赤にちなんで、ネグローニでも作ってみますかね。

案の定、ジンそのものの味わいは、よく分からなくなりましたが、このホロ苦さよ、
郷愁の味わいよ。
バックにはエリントンとコルトレーンが奏でる『センチメンタルムード』が。