ということで、ユーロスペースでのジャック・ロジェ作品『メーヌ・オセアン』上映後のどっかの大学教授の解説もそこそこに、一階上のシネマヴェーラ渋谷へと移動。
こちらも楽しみにしてたルイス・ブニュエル特集のうち、一度は観てみたかった『黄金時代』(30) を観賞です。
今特集は「スペイン・メキシコ時代のブニュエル」と題されており。
の割には、かの有名な60年代初頭の『ビリディアナ』や『皆殺しの天使』等はありません。それでも興味深い初期作品が目白押しで。
と、この『黄金時代』は、あのシュルレアリスムと云われる、なんとも理解しがたい短編『アンダルシアの犬』(28) 同様、最初期のダリとのタッグ作品で、製作国はフランスになります。
いやー、なんだか凄いわ。
シュルレアリスムですねー。使い方よく分からんけど。
年初でしたか、フランスはコクトーの『詩人の血』(32) を観たとき、こいつも何がなんだかの作品でしたが、注視するまでもなく、その後のコクトー作品のエッセンスが一杯つまってましたね。
先に挙げた『ビリディアナ』『皆殺しの天使』が、それぞれ70年代初頭フランス時代の『哀しみのトリスターナ』『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』の或る意味元ネタである以上に、この『黄金時代』は、コクトーの『詩人の血』の如く、全ブニュエル作品の元ネタ、分かつ枝を束ねる根幹、変態エッセンス・アイデアの支柱的作品なのではなかろうか。
それにしてもですよ、最後のあのお城のエピソードは、、、もしや、大いなる先輩、サド侯爵のソドムのあれですかね。
しかもですよ、その淫蕩貪り尽くしてヤツレ果てて出てきた一人は、まさかクリストではないですよね。
ブニュエルよ(ついでにダリよ)、それはやりすぎだろ。