店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

ラング『怪人マブゼ博士』

引き続き、シネマヴェーラ渋谷で開催されています初期ブニュエル特集に出掛けまして。
なのに本日はブニュエル作品ではありませぬ。フリッツ・ラング監督のドイツ時代の作品『怪人マブゼ博士』(33) を観賞です。

今回のブニュエル特集には、これ以外にも多分彼が好んだためであろう、他の監督作品が多々あり。これはそんな中のどうしても観たい一本だったのです。

ふーっ。
上映後のため息、只ため息のみ。
素晴らしすぎて言葉がありませぬ。
兎に角圧倒されっぱなしの120分。

ラングはこの作品の約十年前、まだサイレント時代に『ドクトル・マブゼ』なる二部作品を作っておりまして。
今特集でも特別上映されておりますが、以前同館でのサイレント映画特集だったかなんだか忘れましたが、衝撃を受けまして。

同じ頃観たムルナウの『吸血鬼ノスフェラツゥ』(22) と共に、兎に角凄すぎ、これが有名なドイツのサイレント、いわゆるドイツ表現主義なのね、と。

今日の作品は、その『ドクトル・マブゼ』の続編なのですが、セットの素晴らしさはもちろん、サイレント時代の全てを物語る“目の表現“はそのままに、トーキー特有の音、効果的な“音の効果“が、イヤガオウにも好奇の恐怖の感情を揺すぶるのです。

あー、ほんとに疲れました。ぐったり、、、