店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

ファスビンダー『マリア・ブラウンの結婚』

ようやく行けました。旧渋谷東映に移転してのBunkamuraル・シネマ。
そして、ようやく観れました。ドイツはファスビンダー特集うちの一本、『マリア・ブラウンの結婚』(78) 。

もうね、夏の特集多すぎるんだよね。
子供の夏休みとまではいかなくとも、せめて公務員ぐらいの休みでもあったらなどと、叶わぬ思いに、あー、観たい作品達は逃げていき。
まあ、週一の休みじゃ生姜ないか。

と、戦後の混乱を背景に、敗戦国ドイツの或る女性の生き様を描いた今作。
ふと、ロミー・シュナイダー主演の『華麗なる女銀行家』(80) が思い出され。

男が勝負をする時って、髪結いの亭主じゃないけど、どっかに女が助けてくれるんじゃなかろうか、そんな打算が働くんだろうけど。
女が勝負をする時って、これ絶対孤独なんじゃなかろうか。

どっかに何かの勝負の目的というか理由というか、突き詰めれば、生きることの張り合いと云うんでしょうかね、そんなもんがないとね。

と、紆余曲折、全てが好転となったとき、彼女は何を思うのか? 幸福? 一抹の寂しさ? 疑問は全てを破壊し。

いやー、凄かったな。
成功とか失敗とか、全てを他者との比較でしか計れない人々よ、マリアを観よ。
これが私の生き様なのよ。