店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

ソビエト映画特集

一週後れとなってしまいました。シネマヴェーラ渋谷で開催されています、恒例のソビエト映画特集に出掛けなければ(最近の情勢に配慮してか、特集タイトルは「日常と戦争そして旅、ウクライナ・ジョージア・ソ連映画 」となってます)。

と、ところてん、久しぶりに自宅をちょっと掃除してから出掛けようなどと、雨が降りそうなことを始めたら、なんと、この季節最も恐るべきエアコンの故障という、あー最悪。どうやっても動かねー。

エアコンメーカーとマンションの管理会社に電話しても、受付のみの対応はしてくれるけど、日曜のため、具体的には明日以降。そんなことを丁寧に説明されてもね、こっちは生死の危機なんだかんね。あー、暑い。喉乾いて生姜ない。

そんな熱意が伝わったのか、しばらくしてメーカーさんから折り返しの電話がかかってきたのですが、来れんのが早くて三週間後だって。死んじゃうよね、そもそも夏終わっちゃうよ。
とりあえず、扇風機買いに行こう。

と、ドタバタドタバタやってたら(地下鉄涼しー、扇風機とともに帰りのタクシーも楽チン)、ヤバ、ギリギリ、なんとか間に合いました。
本日は、今特集では比較的新しい『ごめんなさいアリョーシャ』(84) と、逆にサイレント期の『戦艦ポチョムキン』(25) を観賞です。

『ごめんなさいアリョーシャ』

なんなんでしょうか、この昭和歌謡のような。
ストーリー、バックミュージック、画面に映りこむ全てが。
特に感想はありませぬ。
タイトルはアレクセイ・ゲルマンの『フルスタリョフ、車を』のアレですな。

『戦艦ポチョムキン』

皆さま、ありがとうございます。
これが観たかったのです。長年の宿題の一つがようやく解決。
エイゼンシュテインの傑作。

素晴らしいです。
ソ連共産党の、革命が主題のプロパガンダ映画なのがありありなのですが、まあ、それは置いといて、兎に角素晴らしい。
まあ、国策映画ってのは予算に糸目つけないし、いいもの創れるんだろうけど、しかし、この素晴らしさ、ターナーの絵画の如き美しさは、やはりエイゼンシュテインの力あってのこと。

それにしても、このおびただしいエキストラの数。『イワン雷帝』でもその数に圧倒されたものですが(雪原での長ーい行列)、今回も兎に角あらゆる場面を埋め尽くすおびただしい人、人。革命への熱き力を的確に表す方法として、これ以上のものはないよね。

そして、今特集にもある『怒りのキューバ』や、この間のロッセリーニの『白い船』等々、他監督の作品に大きな影響を与えていますね。そっくりな場面がチラホラ。
思い違いでなかったら、あの淀川さんをして、ポチョムキンがあったら他に映画はいらないとまで言わしめた傑作。

あー、出掛けるまでにいろいろゴタゴタあったけど、ほんと観れてよかったよ。
と、家に帰って、試しにエアコンつけてみたら、なんと、動きました。
ポチョムキンばんざーい。

(あのゴタゴタはなんだったんだろ。まあ、また動かなくなるかもしんないし、とりあえず扇風機の出費は良しとしよう)