店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

『静かなる決闘』

降りしきる雨が、
その長い長い元凶招く雨が、やがて雪となり、
降り積もる雪もやがては決壊、ほとばしる涙、尽きぬことなき涙よ。

何故、我はここまで苦しまなければならぬのか。
いや、この苦しみこそが人を“聖者“ならしめる、、、

と、本日は神保町シアターで、昭和24年の大映作品、黒澤明監督による『静かなる決闘』(49) を観賞です。

ほんとはね、早稲田松竹でやってるアケルマン特集に行きたかったのです。
セイリグのジャガイモを観にね。

それがね、僕の唯一の休みである日曜は、ジャガイモやんないんですと。
あーあ、またかよ、また観れないんかよ。

と、神保町シアターでは『君の名は』特集が。
銀座は数寄屋橋交差点近く、数寄屋通り沿いで働いている身としては、その昔の舞台を一度は観とかんと、と思っていたところてん、今日はその『第三部』とな。

いや、やっぱり観るなら『第一部』からだろう。『君の名は』はどうでもいいや。
同特集の一つ、世界のクロサワでも観とくかー、てな次第で。

まあ、いい映画だったなー。

苦悩の、清廉潔白な息子医者が、周囲から“聖者“と呼ばれていることに対し、父医者が漏らす台詞。
「こいつも変に幸せだったら、ただの俗物になってたかもしれません」

みなさん。平々凡々と生きてるのに、あー、幸せが足りないなんて、そんなことを思っているみなさん。
この作品を観なさい。
不条理極まりない本当の苦悩がどんなものか、その目に焼き付けなさい。

あーあ、今日の麦酒は苦かった。