店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

『ドリー・ベルを覚えているかい?』

未だ余韻ほのかに続く『アンダーグラウンド』と同時上映されています、エミール・クストリッツァ監督のデビュー作品『ドリー・ベルを覚えているかい?』(81、ユーゴスラビア)。
本日も恵比寿ガーデンシネマで観賞です。

青年主人公のほろ苦い恋と家族の死と、それを経たからこその、“希望“に満ちた物語。
アンダーグラウンドのような派手さ、凝った構成はないものの、しみじみと染み入りました。

と、ついこの間の東京国際映画祭の期間中、英語はからっきしな僕ですが、関係者の外国人数人と合間見える機会がありまして。
僕自身は映画祭とかには興味がないものですから、昔の映画ネタで盛り上がったてたところ、話が審査委員長の作品に。

で、彼の作品で何が好きなのか聞かれたもんですから(多分)、「全部は観てないけど、観た中では『アリス』かなー」との返答に一同首を縦にふり。みんな同じ。

そう、あのデビュー作特有のみずみずしさ。
そして、自信の処女作についての作家安部公房の言葉を借りるなら、「いまなお、私の仕事をつらぬいて通っている、重要な一本の糸のはじまり」。
その後の全てはここにあり。

いやー、ほんと良かった。