ようやく行けました。先月末からシネマヴェーラ渋谷で開催されています特集「文学と映画」。うち、本日はシオドマク監督によるハリウッド映画『大いなる罪びと』(49) を観賞です。
原作はドストエフスキーの自らの体験を基にした、あの博打打ちのやつ。って、ドストエフスキー、長編をいくつか読んでんだけど、これは読んでなかった。
美しき女性に惚れちまったばっかりに、その女性が博打打ちであったばっかりに、ミイラトリガミイラニなってしまい、、、
博打打ちってのは恐ろしいものですな。
運命とか偶然とかでしかない博打を、統計とか確率とかの数学的法則にまでこじつけて、それこそ神の領域にまで踏み込もうとする、結果、その悲惨なまでの落人ぶりよ。
それにしても、このグレゴリー・ベックとエヴァ・ガードナーの主演二人。
こんな美男美女のキスシーン、こっちの方が余程の罪だと思うのです(数年後の『キリマンジャロの雪』での、一つ火でのタバコをつけあうシーンもしびれました)。
忘年会ならびにクリスマスシーズンを迎え、街角やら電車内とかあちこちでキスシーンを見かけるのですが、この二人のキスシーンをキスシーンと呼ぶのなら、その他の彼らのそれは、なんだろ、口吸いとか肝吸いとか、そんな感じだね。
それよりはなにより、クリスト教徒でもない僕が、このクリストの磔刑像を何故これ程までに美しいと思うのだろう。
グレゴリー・ベックとともにクリストの前に跪き、日頃の暴言を懺悔する僕がいたのでありました。