新春第二段は早稲田松竹で恒例の昔の日本映画。かつ、両方とも昭和8年作のサイレント。
五所平之助監督『恋の花咲く 伊豆の踊子』(33、松竹)と、成瀬巳喜男監督『夜ごとの夢』(33、同)を観賞です。
五所平之助監督『恋の花咲く 伊豆の踊子』(33、松竹)と、成瀬巳喜男監督『夜ごとの夢』(33、同)を観賞です。
『恋の花咲く 伊豆の踊子』
以前、国立映画アーカイブで五所監督特集あったとき、これも上映作品にあり。
しかし、スケジュール合わず観れず。
もうね、港町、波止場、ここでの男女の別れが、古今東西どんだけ描かれてきたんだろう。
そして、これほどまでにいじらしく、もどかしく。
田中絹代、当たり前だけど、若いなー。顔パンパンだよ。
でもね、前に吉永小百合と高橋英樹版を観たけど、その百倍はよいね。
ほんとしみじみ。
『夜ごとの夢』
伊豆の踊子の余韻が、ナガクナガク続いたままの観賞となってしまったのですが、かつ、上映時間はその半分程度なのですが、何ですか、この素晴らしさは。
サイレント映画、特に外国ものをそれなりに観てきた僕ですが、これは本当に良い、素晴らしい。
酒場、現代で云うところのバーをはじめ数々のセット、小物の扱い、そして、計算し尽くされたカット、構成、、、あー、何をズラズラ挙げてんだ僕は、兎に角ですね、ストーリーはたいしたことないんですが、なんとも全てが素晴らしいのです。
これこそ映画です。
あー、もうこれ以上語ることはありませぬ。
それにしても、二作品とも、女性が羽織る昔の着物のなんと表情豊かなことか。
袂で涙をふき、それをくわえていじらしさを表し、、、
露出狂の現代女性よ。あんたの体を全てのキレでおおいたまえ。
そして、サイレント映画の如く静かなることを我望まん。