本日は神保町シアターでGW特別企画、小津安二郎監督のサイレント映画特集へ。しかも、活弁、ピアノ生演奏付きでの昭和5年松竹作品『落第はしたけれど』(30) を観賞です。
初期の小津作品の常連、斎藤達雄が主演。あの情けない顔とニヒルな笑顔は相変わらず。田中絹代と笠智衆も若い。
卒業試験でのカンニング知恵比べ。その知恵を勉学そのものに向けろよ、と突っ込みたくなるお約束。
及第もあれば落第もある。
しかし、卒業はしたももの、当時の社会、職はなし。
どちらが幸せなのか、、、
そんな学生時代という、ひとときの“光輝さ“よ。
勉学に励むが本来の姿ではあろうものの、スポーツに励むもよし、バイトに明け暮れるもよし、僕なんかは無為専門。
そう、この無為こそ、学生にとっての最も重要なことではなかろうか。
のらりくらりと何もせず。
しかし、どこかに巣くう将来への不安。
小津のモダンなセンスとは裏腹に、僕の心はノスタルジーに包まれたのでありました。
上映後満場の拍手。