店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

スタンバーグ『最後の命令』

その昔のハリウッドには、革命やら戦争から逃れてきた人々が集い、国境を超えた桃源郷の如き、目眩く映画を創り出してきたのでありました、、、

と、本日もシネマヴェーラ渋谷で引き続き開催されています「サイレント期の巨匠たち」と題する特集に出掛けまして、スタンバーグ監督による『最後の命令』(28) を観賞です。

やっちまった、涙腺崩壊。
素晴らしい。
おびただしき人による圧倒的なマンパワーと、エミール・ヤニングスのこれまた圧倒的な演技。
最近のスカしたような、斜に構えた感じの数々に対して言いたいのです、ここまで作り込んでみろよ、と。

かつて、ロシア陸軍の、泣く子も黙るような将軍だった男、しかし、今は生きる屍も同然な男の“復活“の物語。
現実には“死んでいる“以上、その復活は映画という虚構の中においてのみ。
しかし、だからこそ、その感動は万人の心に響き、永遠に語り継がれる神話となるのです。

今日はちょっと所要あり、本来映画の予定ではなかったのですが、いや、急な所要中止よ、ありがとう。この映画を観逃したままなんて、それこそ、生きる屍も同然。観終わった今、率直なこの想い。

さて。

上映終了後、一階下のユーロスペースに移りまして、フランスはギョーム・ブラック監督の『リンダとイリナ』を観賞です。

あーっと、特に何の感想もありませぬ。
頭の中は先の作品で一杯で、何の隙間もなく。