コスパなんて言葉をよく耳にしますが、僕はこう云いたいのです。てか、よく云ってるのですが。
「高いから美味しい訳じゃない。でも、真に美味しいものは高い」
と、この間当店にウイスキーを愛する韓国人の若者二人組がやって来て。
本当のウイスキー好きって、もちろんジャパニーズなんかは飲まない(実態の伴わない高値にも辟易)、一生懸命な日本語で「何かインディペンデンドで美味しいものを飲みたいです」。
おー、これはきたぞー。蒸留所瓶詰めの、いわゆるオフィシャルものじゃなくて、インディペンデンドボトリングカンパニー、いわゆるボトラーズものを、いきなり頼むとは。
で、とりあえず好みを聞いて、スコッチのモルトウイスキー、もちろんシングルカスクストレングスのやつを3本ほど目の前に置いたら、「ハーフショット(半分の量)はできますか?」って聞くから「もちろん大丈夫だよ。えっ?これ全部飲むの?」
これまでにも、様々な韓国人の方にご来店いただいておりますが、多分あの数人をのぞいて、ほとんどがとことん強い。
案の定、これだけではおさまらず、さらにハーフとは云え4杯ほどが追加され。
値段もだんだん高いのにシフト。
最後のGM社のカスクストレングスのリンクウッドを飲んだときの表情よ。とろけような表情よ。
一生懸命に、なれない日本語で感想を語ろうとするその姿よ。
そして、笑いながらの〆の一言。
「高いものは全部が美味しいわけじゃありません。でも、とても美味しいものは、いつも高いですね」
おー、この表現、格言は、、、
僕はね、彼を抱き締めたかった。
可愛い女の子なら確実に抱き締めていた。
しかし、僕の二倍はあろうかという、その立派な体格にあきらめた。
国レベルでは、何かとあーだこーだの日韓関係だけど、こうやってね、国の垣根を越えて、好きなものをあーだこーだ語り合えるのは本当にいいねー。
また、会おう。
かむさむにだ。
と、前置きが大分長くなりましたが、待ちに待っていた蒸留所のやつがやって参りました。
そう、ストラスアイラ、もちろんGM社の。しかも蒸留所ラベルじゃなくて(これも待ち望んでんだけど)、先述のリンクウッド同様、コニッサーズチョイスシリーズのシングルカスクカスクストレングスのやつ。
バリバリのシェリーカスクで15年熟成、55.6°。総生産本数約三百本、日本入荷百五十本のうちの一本です。
高い、、、
でもね、日韓酒類協定書の合意事項第三号をご理解いただけるならば、是非試していただきたい。
もちろんハーフショットも可能です。
でもなー、仕入れたはいいが、ほんとに注文あるんだろうか。
これが外交官の苦悩と云うものか。
ストラスアイラ、
ストレスおいら。
あーあ。
(あっ、ボトラーズは違いますが、同じスペイサイドの柔らか系、オルトモアのバーボンバレル熟成のやつも入りました)