店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

引き続きダグラスサーク特集

引き続きシネマヴェーラ渋谷で開催されていますダグラス・サーク特集へ出掛けまして、本日は『社会の柱』(35) と『私を町まで連れてって』(53) を観賞です。

『社会の柱』

砂上の楼閣、荒波にさらわれポッキリ。

サークのドイツ時代、本名デトレフ・ジールクとしての作品。
素晴らしい一本です。

同じドイツ人スタンバーグの『最後の命令』を思い出してしまったのは、巨漢俳優の圧倒的な演技のためか。

現代はドイツもこいつも(洒落ではありませぬ)スマートになりやがって、そんな輩がキャーキャー騒がれて。
あーあ、もっと飯食え。

と、原作はイプセンの戯曲とありますが、舞台では到底表せない映画としての迫力。かつ、場面場面の繋ぎが、場所も人物も全く違うのに、うまく関連をつけておりまして(階段の上り降りとか)、いやー、うまいなー。

『私を町まで連れてって』

そして一転、なんと楽しい映画でしょうか。
これぞ、アメリカ、田舎町の文化、風俗のオンパレード。それをドイツ人が描き。

疲弊したヨーロッパから“理想郷“アメリカにわたったのは、なにもサークのような映画人だけに限らず、それこそ数多にわたり。
あー、誰もがこんな心温まる世界を胸に描いてたんだろな。

と、今作でも、ニクい演出が冴え渡り。
あー、ほんとこの二作品は観といて良かった。大当たりでありました。