間が少し開きましたが、引き続き国立映画アーカイブで開催されています中川信夫監督特集に出かけまして、本日は昭和29年の新東宝作品『石中先生行状記 青春無銭旅行』(54) を観賞です。
青春とは無銭旅行であり、それへといざなう衝動である。
溢れんばかりの衝動は、美しきショットの数々から滲み出し、我々をあの頃に呼び戻す。
あー、なんと素晴らしき映画だろう。
ふとしたショットに魅入ってしまう。
監督の詩がある。
「コドモは泣く 大人は泣かぬ 大人はかなしい」
無銭旅行を可能ならしめる青春の知恵は、どこまでも微笑ましく、大人の浅知恵、悪知恵は、どこまでも愚かしく無残なものである。