渋谷はユーロスペースで始まってましたジャック・ロジェ監督特集。うち、本日はメイン作品であり、ヴァカンス映画の金字塔!と銘謳われました『オルエットの方へ』(71) を観賞です。
画家が最適な光を待って絵を彩っていくように、朝に昼に夜に、シャック・ロジェが映し出す光の具合は、心地よさ以上の極上の、名画と比較されるほどの芸術なのである。
フランス人はヴァカンスを好むのであり、なぜか若き女は三人なのである。
そこに、必然的に男が絡むとお約束,女三人と書いてなんとやら、冒頭からの尽きるとこなきその特有のパワーも、バランスを欠いてしまうのである。
そして、いつかヴァカンスは終わる。
この寂しさは日曜夜のサザエさん。
ギョーム・ブラックで用いたこのオチも、はるか以前のロジェ作品でこそ、そのキレは増すのである。
