神保町シアターで始まりました「名作映画でみる、男たちの人生劇場」と題する特集。本日は昭和30年の東宝作品『不滅の熱球』(55) を観賞です。
前回観賞の作品では、膝上スカートからのぞく美しき脚で魅了する司葉子も、その12年前ともなればスカートは膝下、のぞく脚もいくばくか、いや、それより何より、圧倒的な可愛さで我々を魅了するのである。
そして、お互いがどこか大根的な池部良との微笑ましい夫婦像が、無垢であればあるほど、戦争と云うものの悲惨さが浮き彫りにされるのである。
長いブランク、不調からのカムバック、そして結婚、懐妊。その幸せを象徴する夫婦茶碗は、しかし、瀬戸物の脆さをも併せ持つ。
果たして、その幸せも束の間、二度目の招集で戦死してしまう彼は、日本プロ野球草創期からの大スターなのである。
戦場での兵士は、誰もが同じく無名の一兵士である。しかし、一兵士それぞれに人生のドラマがある。
