メジャーとは一線を画すインディペンデントな映画集団、アンソロジー・フィルムアーカイブスによる「アメリカ実験映画の地平へ」と題する特集が、国立映画アーカイブで開催されており、うち、本日はロバート・ダウニーSr.監督の『グリーサーズ・パレス』(72) を観賞です。
冒頭の広漠な砂地に刻まれる馬車の轍。これを幾何学模様に読み取るなら、この西部劇のようなものは、過去ではなく近未来、いや遥かなる先のSFなのである。
そして、そこを支配するのは科学的なものではなく、相変わらずの原始的な暴力であり、大なり小なり、そんな閉塞的な社会を穿つのは、これまた科学的なものではなく、クリストなのである。
クリストは歌い、そして踊る。
人々を癒し、不安に陥れ、そして既存社会をぶっ壊していく。
我々はどこへ行くのだろう。
アンソロジーにより昨年復元された、どこまでも美しい自然の映像美は、そんな問いをも呑み込み、ただただ、忘我の境地へと誘うのである。
