店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

和泉雅子特集『悪太郎』

先週に続きシネマヴェーラ渋谷での清水宏特集に出かけよう、ところが、悲惨な花粉の飛散、そして腰痛に、より近場の神保町シアターに究極変更。昨日からの女優・和泉雅子特集より、昭和38年の日活作品『悪太郎』(63) を観賞です。

ありがとう、花粉よ、腰痛よ。この作品に出会わせてくれて。
そもそも和泉雅子にはそれほどの興味はなし(昔観た『非行少女』は良かった)。しかし、監督が鈴木清順となれば、観といてよかろう、いや、もう一度言う、ありがとう、これは素晴らしさ以外の何ものでもないのである。

或る意味幼稚な子供の恋物語が、清順美学に貫かれ、美しき絵巻物さらさらと、隅々まで行き渡る完璧な構図よ。

そして、そんな文芸ものの‘’足枷‘’を脱ぎ捨て創り上げた最高傑作『殺しの烙印』(67) は、その素晴らしさ故に社長の逆鱗に触れ、清順は日活をクビになる。

『悪太郎』とは、実はそれを撮った監督そのものなのである。