国立映画アーカイブで上映されていました特集「発掘された映画たち2026」。最終日の本日、最終回にようやく間に合いまして、吉村公三郎監督による昭和14年の松竹作品『暖流』(39) のデジタル復元、最長版を観賞です。
公開当時は前後編二部作の177分であったものが、なぜか戦後のいつからか今日に至るまで、124分の短縮版のみが流通していたところ、最近発見されたオリジナルに近い16mm169分をもとに、これまで同館が所蔵してた他のフィルムと合わせ、計四本のフィルムをデジタル化、編集したもので、公開当時のように前後編二部作、ほぼオリジナルに近い173分。
当初は、16mm169分版をそのまま35mm上映する予定だったものの、一部のセリフやバックミュージックに不備があり、急遽上記のような措置がとられたとのこと。すでに刷り終わっていたチラシまでは変更できず。
ありがとう、アーカイブ。
短縮版も観てなかった僕は今回が初。
水戸光子の白衣姿も初。
一転、普段の着物姿で宵闇街角、恋い慕う佐分利信に想いを打ち明ける彼女の、涙の、美しさよ。
そして、夜は明け広き海岸。もう一人、モダンな装い高峰三枝子が、これまた仄かな想いを佐分利信に打ち明け、その涙を暖かい浪に洗わせ。
この美しさ、素晴らしさ。
吉村公三郎のカット全てが冴えわたり、室内の装飾や、自由に行き交う和装、モダンの華やかさまで、兎に角大満足な一本なのでした。
上映終了後満場の拍手。監督のご子息(もちろんお爺さん)がご来場でしたが、なにより。
