店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

アンジェイ・ワイダ『約束の土地』

EU加盟各国の映画を紹介するEUフィルムフェスティバルが、渋谷のイメージフォーラムと京橋の国立映画アーカイブで開催されており、前者は新作を、後者は旧作名画を上映。

と、本日は国立映画アーカイブに出かけまして、ポーランドはアンジェイ・ワイダ監督の『約束の土地』(74) を観賞です。

資本主義の、狂気の、その過剰なまでの表現が、圧倒劇な美的センスに貫かれ、我々を打ちのめしていく。

全ての野望が燃え尽き、灰と化し、亡者達はしばしの絶望の後、あきらめともなんともつかぬ、薄ら笑いに包まれる。

資本主義は、狂気は、しかし終わらぬ。
欲は、さらなる欲を招き、無機質な工場の、歯車の如く、いつまでも回り続ける。

歯車に飲み込まれ、砕かれる労働者を見よ。
競争に敗れ、自らを打ち抜く資本家を見よ。

明日のパンにあえぐ貧困と、尽きることなき飽食。光あふれる田園と、厚い煙に覆われた都市。
格式を重んじる伝統と、それを嘲笑う今と。

この圧倒的な対比を、神の光の如くワイダは照らし、さらけ出すのである。

あちこちの煙突から立ち登る煙は、果たして希望なのか、終焉なのか、、、

いやー、鑑賞後のこの震えは久しぶり。
それにしても、ワイダの光の捉え具合は、本当に心地よいのである。