引き続き神保町シアターで開催されています、山中貞雄と加藤泰の両監督特集に出かけまして、本日は加藤泰による昭和41年の東映作品『骨までしゃぶる』(66) を観賞です。
高値で売れる体の純潔が、魂の純潔なんぞより尊ばれる廓社会において、年季を重ねるほどに、体とともに魂も麻痺、けがれていきそうなものを、桜町弘子演じるこの娼妓は、どこまでも純粋、純潔、いや、さらに云えば、したたかさえ身につけ、そのしたたかさが向かうさきは、本来の娼妓における客の男の方ではなく、廓を牛耳る経営者らなのであり、この点において、彼女の姿は、観客全てが望む‘’正義‘’のヒロインそのものなのである。
そして、監督加藤泰は、そんな彼女をどこまでもローアングルで捉え続け、高みからは、普遍的には、人の本当のこまやかな心情などは、描くことなどできないと云わんばかりなのである。
あー、なんでこんな素晴らしい、泣けて笑えてスカッとして、、、繰り返しをごめんなさい、本当にこんな素晴らしい作品を観てなかったのか。
深夜、廓のきざはしで、寄り添う娼妓二人のショットを観よ。静寂、悲哀、それら全てが滲み出す美しさ。どんな名文士が束になろうと筆では描ききれない、この映画の醍醐味。
あー、良い意味で疲れました。
