店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

引き続きフランキー堺特集

引き続き神保町シアターで開催されています、フランキー堺特集に出かけまして、本日は昭和32年の日活作品『倖せは俺等のねがい』(57) を観賞です。監督は名優宇野重吉。

戦後の鶴見の焼け跡に、新居と云うにはあまりにも慎ましい、バラックの如き平屋建て。

四年越しの恋を実らせた男女の、新婚新居となるはずが、何故か遠い遠い親戚の、宿無し子供四人が押しかけてきて。

その‘’障害‘’を一旦は追っ払い、ようよう迎えた幸せも、その実素直には喜べない、それが人情、あっという間の大家族は、戦後の焼け野原を一歩一歩踏みしめていくのであった。

フランキー堺特集なれど、今作は左幸子の魅力に引き込まれてしまう。

そして、宇野重吉の細やかな演出。
つまりは、つかの間の新婚の夕の食卓、昨日の残りのお菜を、左がフランキーに嗅がせ、フランキーの頷きののち食卓に乗せ、左の背後の調味料に手を伸ばすフランキーの袂が味噌汁で汚れないよう抑える左の絶妙な手さばき(しかもニ度)、その他のアレコレが無言のうちに流れるように。
あー、これぞ映画である。

鶴見駅前屋台の、うまそうな一杯の支那そば。
今でこそ、外国人旅行者をも虜にするラーメンだが、これこそ、めちゃめちゃにやられた日本の癒しであり、活力源なのである。